給与額はどうやって決めていますか?
そして人事評価制度は、
給与額決定のためのものですか?
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経営者が「しっかりした人事評価制度を導入したい」と思うとき。
それはどんなときでしょうか。
「給与額決定のため」が第一のようです。
つまり、毎月の給料の額や賞与の額、そして昇給昇格の判断材料とするためです。
後から入社した後輩社員が、入社後数年で先輩社員より会社への貢献度が高くなった。
でも給与は先に入社した先輩社員の方が高いまま。
中途入社の多い中小企業やベンチャー企業にはよくあることですね。
1人や2人でなく社内全体に「なんかおかしい」という空気が蔓延する。
社長も「まずいな」とは思いながら、動いていいものかどうか、実際どのように動けばいいのか判断に迷う。
こんなとき「会社にちゃんとした給与制度があれば。そのためにはやはり人事評価制度が必要だ」と頭をよぎるケースが多いようです。
この場合、「給与額決定」とは言うものの、その中身は「社員の序列付け」であると言えます。そしてそれは昇進・配置・異動を含むものです。
「社員の序列付け」で一番単純明快な給与制度、運用もラクな給与制度―。
その代表選手は「年功型給与制度」=「年功制」です。
年齢順、勤続年数順、学歴順、またはそれらの複合で機械的にあてはめれば序列がつけられます。
それですめば人事評価はなくてもよさそうです。
でも“年功制はイヤだ”という社長。
「序列付け」のためにやはり人事評価は必要、ということになります。
人事評価は経営を効率良くするための手段の1つだとお話しました。
では「社員の序列」が決まると経営は効率的になるでしょうか?
例えば、軍隊。
往々にして大組織であり、すべての人間が統一された意思のもとに、正確な行動をしなければなりません。
一糸乱れぬ状態が求められる。そうしなければ戦いに敗れる。
それは組織の目的に反する結果を招くということです。
そしてそればかりか、自分の命を落とすことにさえなりえます。
そうならないために、強固な指示命令系統が不可欠であり、それを実現するため「隊員の序列付け」は必要であるといえます。
では経営はどうでしょうか。
それでいいでしょうか。軍隊と同じで。
経営者の役目って何でしょうか。使命と言ってもいいと思います。
いろいろありますよね。ほんとうにいろいろ求められると思います。
では、社員に対する経営者の使命って限るとしたらそれは何でしょうか。
まずは、仕事を与えてあげること、が一番だと思います。
そしてその仕事を通じて人間として育成すること。
育成の結果自己実現を達成すること、その手助けをしてあげること。
これができれば経営者にとってもこの上ない幸せではないでしょうか。
おおげさですか? 格好つけすぎですか?
でも私はそう思っています。
「人事評価」は、やり方によっては実は社員の育成に一役買う一手段となり得ます。
それなのに「序列付け」を目的に人事評価を実施するのは、もったいないんです。つまらないんです。
「給与額決定」をはじめとする「社員の序列付け」は、結果としてもたされる副次的なもの、と思っていただけると、できあがる仕組みもがらりと変わることは確かです。
正解はありません。
社長は「序列付け派」ですか? 「社員育成派」ですか?
社長の中に答えがあります。
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