「社員の育児支援 揺れる企業」番組レポート


「次世代育成支援対策推進法は、21世紀の経営資源」
メルマガバックナンバー006号(H17.05.10)

あの人の言葉発見


「次世代法」施行から、半月を経過した時点。
育児支援には、企業の温度差がある。

社内の育成支援体制を模索する企業の内部を紹介。

対象となった企業は3社。
いずれも本社は東京にある大手企業。


1.キリンビール

同社の女性社員1,200人中、子を持つ200人全員にアンケートを実施。

同社には、もともと3年間の育児休暇制度、や子が3歳になるまでの時短制度、があり制度としては充実している。

にもかかわらず、アンケート結果は、女性社員の不満や不安が表面化した。
  • 同僚の理解がない
  • キャリアを無視した扱いを受けた
  • 子が3歳で支援がなくなることが不安
  • 小学校入学あとの支援が欲しいなど
会社は、時短措置の拡大を図り、対象となる子の年齢引き上げを検討している。


2.資生堂

在宅勤務を円滑に進めるため、上司との対話システムを導入。
また、男性社員の育休取得促進を図っている。

同社には、最大3年間の育児休業があり、女性社員が600人以上取得しているのに対し、男性社員の取得者は、15年間のうち1人。
  • キャリア形成上の不安
  • 仕事が進まなくなる不安
  • 休業中、無給であることの不安があげられる。
同社は、子が3歳になるまで、有給で2週間の育児休業制度を導入。

短い休暇で、男性の育児意識を変えるのが狙い。

その制度の対象となる、研究職の若い男性社員は「キャリア上の不安がある。」
その妻は、「良い制度。でも2週間では短い。」という感想。

さらに同社は、改訂した制度を周知徹底するため、パンフレットやビデオを作成し、全国の営業所にも配布している。


3.大手損害保険会社(新宿)

全社員を対象としたアンケートから。
育休をとる社員がいる職場で、残った社員の負荷が大きくなることの不安や不満があることが判明。
通常の自分の仕事に、育休取得者の業務がプラスされ仕事が2割増しになった。

同社は、以前、結婚などで辞めたOBに経験した仕事内容を明らかにして登録してもらい、その中から、即戦力として再雇用することで、育休者の代替要員を確保することにした。

それでも、育休取得者のまわりの社員にまったく負荷がかからないことはない。

キャリアがある程度長く、スキルが高い人が、育休をとるケースでは、同じ仕事ができる人を確保するのが難しい。

また、仕事の引継ぎにおいても、顧客のクセや自分の経験を引継ぐのは難しい。

上司立会いのもとで引継ぎを行う、など工夫をしているが、育休をとる社員は不安を感じている。

マネージャーの「人繰り」の役割りが大きい。
「社員の育児支援 揺れる企業」
クローズアップ現代
NHKテレビ 17.4.19 放送
(お断り)
文章・表現は、メルマガ発行者作成のものです。
番組は、取材ビデオとスタジオ対談の構成ですが、ここでは取材ビデオ部分のみ、紹介しています。

NHKということで、番組内では、対象企業を「東京△△の大手○○業」と紹介していますが、会社規模をイメージしていただくため、映像から分かる範囲で会社名を表記しました。

わたしの後記


・ゾクゾクするぜい。
・うん! やっぱコレ大事。
・そんなモンかね〜。

NHK「クローズアップ現代」を見ての感想3つです。

G.W.をはさんだため、番組内容の報告がタイムリーでなくなってしまいました。
ちょっと残念。
さて、それではもうちょっと中身。

番組は、次世代育成に関して、企業間に「温度差」がある、と言います。

コレ、他のマスコミでも言われています。
今後、紹介する機会があると思います。

番組では「ホット」な会社の紹介だけ。
「冷めた」企業の、実情は知りえません。

また、番組は、当然のように(?)大企業を紹介しています。
中小・ベンチャー企業では、無理と思われているのでしょうか。

確かに。
確かに、難しい。 キビシイ。

と、いうことは、チャンスです。それも大チャンス。

「ホット」な大企業でさえ、悪戦苦闘。
「冷めた」大企業は、敵前逃亡。

そんな中。
中小・ベンチャー企業が成し遂げたら・・・。

ちょっと、ゾクゾクします。

キビシイのは百も承知。
だからこそ価値あり。 
ライバルも簡単には真似できない。
これが成功すれば、差別化に四苦八苦する必要なし。

人材採用に関して言えば、同業種のライバルどころか、中小・ベンチャーという同規模すべての会社から一歩抜きん出ます。

10年後がホント楽しみじゃありませんか!
ゾクゾクせずにはいられません。

現実に頑張っている中小・ベンチャー企業もあります。
紹介も今後予定しています。

お楽しみに。



やっぱり大事ですね。社員アンケート。

どんなニーズがあるか。
何が不満なのか。
知ってこそ、次世代育成について社内の仕組みが完成します。

社員の意向を汲み取ることはスタートでもあります。
そして、社内実現性の検証。
労働法の適合性を確認しつつ、導入。
運用。
認定申請。
認定。
世間にアピール。
お客さん・採用応募者の増加。
会社、社員、家族、お客さん、関係者、大喜び。
明るいニッポン。
幸せの好循環。

といったところでしょうか。
私たちのシナリオは。

それには、社員の「どうしてほしいか」を知ることですよ。



職場の理解が、あまりにも「ない」印象を受けました。
正直ビックリ、です。
そんなモンですかね?

ま、1週間や、長くても1ヵ月なら、そんなことはないのかもしれませんが、1年から3年、となるとイイ顔もしていられなくなるってことですかね。
人間て。

厚労省も、次世代育成のための意識改革みたいなことを声高に言っているようですが、「助け合い」みたいなことは、一朝一夕には芽生えないようですねぇ。
それこそ子どものうちからでないと。
そんなことを大真面目に子に諭す親がいるのかどうか・・・
学校でも教えているのかどうか・・・
ここまでくると教育論なので、止めておきましょう。
この場では。



育休を取る人が、「仕事の引継ぎ」について不安がっていたのも印象に残りました。

コメンテーターも、管理職の人繰り能力に言及しています。

でも私、思うんです。

「仕事の引継ぎ」って、別に「育休」に限ったことではありませんよね。
今までだってあったハズです。

例えば、退職の時。
退職の時にも、そんなに不安だったのかなぁ?って思うんです。
当然、人によるでしょうけれど。

何を今さら、って思いませんか?
で、想像なんですけど、コレ大企業ならではじゃないでしょうか?

大企業の退職の典型。
・定年退職
・女性社員の結婚退職

定年で辞める人の場合は、それなりの役職だったり、業務だったり、また、分かっていることなので準備期間もとれ、「引継ぎ」はそんなに問題ではないのでしょう。

結婚退社の場合は、もともと女性社員が一般職だったり、入社後短い年数だったりで、これも問題にはなりにくかったのでしょう。
最近までは。

終身雇用制が崩れたとはいえ、要職ポジションの人や、ある程度のキャリアの人が中途退職することが大企業においては、まだ少ないケースなのでしょう。

そういったケースでの「引継ぎ」事例が少ない。
だから右往左往。

ところが中小・ベンチャーは、といえば。
中途退職なんて、日常茶飯事ですよね。
だから「引継ぎ」なんて恐れるに足らず!と豪語していまいましょうよ。

日常から右往左往していたらダメですよ。
笑えない。
しくみ、できてますよね。


話し戻って、「引継ぎ」をするほうの本人の気持ち。

「退職でハイさよなら」の場合は、「もう関係ないから、あとは知らない」で不安も心配もないのでは。
うまくいこうが、いくまいが。

でも「育休」の場合は、自分もあとで復帰します。
まだ関係は、あるのです。
自分が関係すれば、「うまくやらねば」と不安や心配もあるでしょう。

要は、その人の関係性です。

だから中小・ベンチャーの場合は、「引継ぎ」よりも「代替要員の確保」ですね。課題は。

やはりマンパワーが、大企業よりも劣ってしまうことは否めません。
「代替要員の確保」については、国の助成金もあります。
今後お話ししましょう。



以上、クローズアップ現代の感想、そしてメルマガ特別号でした。
ペコポン、ぼんさく、次回よろしくー。



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