次世代法・認定基準(その3)


「次世代育成支援対策推進法は、21世紀の経営資源」
メルマガバックナンバー007号(H17.05.17)

あの人の言葉発見


計画期間中に(一定の)条件をクリアすれば、国から「子育てサポート企業」として認定され、企業のPRなどに活用できる。

この認定には(調査した主要100社のうち)71社が意欲を示した。
特に、消費者に子育てが多い食品、繊維・化学、国際競争の激しい電機業界では、9割以上が「認定申請の意向」と回答。

電機業界では、少子化対策の面だけでなく「企業イメージをアップし、多様な人材を確保する手段」ととらえて取り組む姿勢が目立った。

調査した100社は業界大手だが、東京商工会議所が1月に会員企業257社に聞いた調査では、従業員300人以下の中小・ベンチャー企業で作業に取り組んでいるのは8.8%。
「主要100社調査」
朝日新聞 17.4.4 総合

総務省の01年の社会生活基本調査では、6歳未満の子どもがいる世帯で、平日に夫が家事・育児などに費やす時間は21分なのに、働く妻は5時間、専業主婦は8時間半だ。

行動計画の中で、多くの企業が悩むのは「男性社員にどう育休をとってもらうか」という点だ。
ただ、実際に取得した社員からは「価値観が広がった」などの声が聞かれる。

野村総合研究所の経営コンサルタント(の男性38歳)は00年と03年に育休をとった。
職場で「男の育休第1号」。

共働きの妻(37)と交代で3ヵ月ずつ休んだ。
本当は半年取りたかったが「現場をあまり離れると、追いついていけなくなってしまうかも」と思ったからだ。

上司は「お客さんに迷惑をかけず、復職後も仕事の成果を維持できるなら」と理解を示してくれたが、周囲には驚かれた。
「自分もとりたい」といった後輩もいたが、その後、続く人はまだいない。

「3ヵ月でも、なかなか休む踏ん切りがつかないのかもしれません。でも、育休の経験があるから、その後、子どもたちを引っ張っていける自身がつきました」と(その男性社員は話す)。
「次世代法 100社アンケート」
(子育て支援 企業本腰)
朝日新聞 17.4.4 生活

制度のしくみ


    〔1〕次世代法関連
     1.次世代育成支援対策推進法
     2.行動計画策定指針
     3.行動計画内容
    〔2〕関係法令
     1.育児・介護休業法
     2.労働基準法
     3.男女雇用機会均等法
    〔3〕労働社会保険
     1.給付
     2.保険料等
    〔4〕助成金、奨励金
    〔5〕法人税
    〔6〕次世代法認定企業


〔1〕次世代法関連 1.次世代育成支援対策推進法

次世代法・認定基準(その3)

ペコポン
さて、次世代法の「認定」をうけるための基準7つの話し。

ぼんさく
一、 行動計画指針にあるような、雇用環境を整備する計画を策定すること
二、 計画期間が、2年以上、5年以下、であること
三、 策定した計画を実施して、その目標をクリアしたこと
四、 3歳から小学校入学前の子を育てている社員が利用できる「育児休業など」を採用していること
五、 計画期間内に次の2つを満たすこと
・男性社員:育児休業等の取得者が最低1人いる
 かつ
・女性社員:育児休業等取得率が70%以上である
六、 次のどれかを実施していること
(1) 所定外労働の削減のための措置
(2) 年次有給休暇の取得促進のための措置
(3) その他、働き方の見直しにつながるような労働条件整備のための措置
七、 今まで法令等に違反していないこと
だったね。

ペコポン
004号で、二、三、七、を、
005号で、五、を紹介した。
006号は特別号で、このコーナーはお休み。

ぼんさく
残りは、一、四、六、だな。

ペコポン
今回は、四、をいくよ。
四、3歳から小学校入学前の子を育てている社員が利用できる「育児休業など」を採用している

「育児・介護休業法」(育介法)に決められている育児休業などの制度は、子どもの成長段階に応じて、各種の設定がある。

つまり、―
子どもが小さいほど、子育て強化、の傾向。
企業には我慢してもらう。
そして子どもが大きくなるほど、それはゆるやかになり、だんだんと企業にやさしくなる。―
っていうイメージ。

成長段階は年齢で区切っている。
出生〜1歳〜(1歳6ヵ月)〜3歳〜小学校入学前
詳しくは「育児介護休業法」の回で話すとして、ここで関係する部分だけ話すよ。

出生から1歳(1歳6ヵ月)までは、「育児休業」の申し出に応えることが“義務”なのに対して、3歳から小学校入学前の「育児休業など」は育介法では“努力義務”なんだ。

出生〜1歳(1歳6ヵ月)は「育休、認めなさい」
3歳〜小学校入学前は「育休など、なるべく認めてあげてね」というワケ。

法律上は“努力義務”でいいことについて、「認定」においては、本当に実施することを求めている。
「そんなに頑張っている企業なら、認定するよ」と。

ぼんさく
そうか。
「次世代法」の“認定”は「育介法」で求められているものより、会社にとってはキビシイのか。

ところで「など」は?

ペコポン
「育児休業など」の「など」には「育児休業」のほか次のようなものだよ。
  • 1日の所定労働時間を短縮する制度
  • 週または月の所定労働時間を短縮する制度
  • 週または月の所定労働日数を短縮する制度
    (隔日勤務、特定の曜日のみの勤務など)
  • 社員が個々に勤務しない日または時間を請求することを認める制度
  • フレックスタイム制
  • 始業・終業時刻の繰下げ・繰上げ
  • 残業をさせない制度
  • 託児施設の設置や運営委託
  • ベビーシッター費用の負担
など
これらを総称して、「勤務時間の短縮等」といわれている。

ぼんさく
なるほどね〜。
条件的に、五、がキビシイって話しだったけど
四、も結構なモンだね。

ペコポン
会社によっては、そうかもね。

ぼんさく
会社の「育児・介護休業規程」確認しなくっちゃ。

誌上しつもん会


Q.次世代育成支援対策推進法が施行されると会社にはどのような義務が生じるのですか?

A.会社は、社員が仕事と家庭の両立ができるような雇用環境を整備するよう努めなければなりません。

また、国や地方の次世代育成支援対策に協力しなければなりません。

社員が301人以上の場合は、行動計画を作り、その旨の届出書を、平成17年4月1日以降、速やかに本社管轄の都道府県労働局に提出しなければなりません。

社員が300人以下の場合は、行動計画を作り、その旨の届出書を、本社管轄の都道府県労働局に提出するよう努めなければなりません。
厚生労働省ホームページ
Q&Aから抜粋

わたしの後記


間に合いました。
今回は、ドンピシャのタイミングです。

毎週火曜日、夜10時、テレビ東京。
ビジネス番組「ガイアの夜明け」があります。

テーマによって、そして、それはかなりの頻度で私は、以前からこの番組をビデオ録画して、週末に見るようにしています。

本日17(火)のテーマ。「育児休暇」です。
番組表では、「どうなる?出世への道“男が取る育児休暇”働く妻に代わり半年間休んだら・・・」とあります。
どうやら社員目線による番組構成なのかな、と想像します。

以前の、NHKクローズアップ現代は、企業目線でした。

まぁ、両方大切なのは言うまでもありません。
経営者のあなたも、一情報として知っておいて損はないでしょう。

で、私は思うんです。
番組内容そのものより、「育休」や「次世代育成」がマスメディアに載る。
世間の関心が高まる。暖まってくる。
そのことが、してやったりなんだ、と。

特に女性は敏感です。
先のクローズアップ現代や、今回のガイアの夜明けを直接目にする人は、まだ少ないでしょう。
でも、時代の空気は、だんだんと色濃くなり女性はそれを感度よくキャッチするはずです。

これらのことは、「次世代育成」のしくみを社内に取り入れていこうという、あなたと、あなたの会社に、追い風にならなくして、何になりましょう。

今のうちの、水面下でのスタートは、10年後の勝負を楽しみにしてくれますね。



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