残業を減らす、無くす


「次世代育成支援対策推進法は、21世紀の経営資源」
メルマガバックナンバー034号(H17.11.29)

あの人の言葉発見


昨年10月時点の女性の育児休業取得率が70.6%と前回調査(02年度)に比べ、6.6ポイント増えたことが、厚生労働省の「04年度女性雇用管理基本調査」でわかった。

一方で、男性の取得率は前回比でわずか0.23ポイント増の0.56%にとどまったことも判明。

母性保護への認識が広く社会に浸透している反面、男性が育児休業を取得するための環境が依然として整っていないことが改めて浮き彫りになった。

調査は昨年10月、5人以上の常用雇用者のいる約1万の事業所を対象に実施、うち77%から回答を得た。
女性の育児休業
取得率6.6ポイント増
読売新聞 17.8.9 社会

制度のしくみ


    〔1〕次世代法関連
     1.次世代育成支援対策推進法
     2.行動計画策定指針
     3.行動計画内容
    〔2〕関係法令
     1.育児・介護休業法
     2.労働基準法
     3.男女雇用機会均等法
    〔3〕労働社会保険
     1.給付
     2.保険料等
    〔4〕助成金、奨励金
    〔5〕法人税
    〔6〕次世代法認定企業


〔1〕次世代法関連 3.行動計画内容

〔残業を減らす、無くす〕

ペコポン
今回から、新しい区切り。
(2) 働き方の見直しにつながるような多様な労働条件の整備に入ります。

これは、(1) 子育て社員の仕事と家庭の両立を助ける雇用環境の整備とは違い、「子育て」視点とは限らない項目。

ぼんさく
要は、社員が仕事一辺倒の生活にならないように、ってことでしょ。
では、今回のテーマ〔残業を減らす、無くす〕、スタート。


ペコポン
具体例としては、
  • ノー残業デイやノー残業ウィークの導入・拡充
  • フレックスタイム制や変形労働制の活用
  • 36協定(サブロク協定)における延長時間の短縮
といった、残業を削減するための方策を実施しよう。
そして、安易に残業するような職場雰囲気の場合には、意識改善しよう、といったところ。

ぼんさく
うわっ、出た。「ノー残業デー」

ペコポン
ぼんさく、「ノー残業デー」嫌いだよね。

ぼんさく
会社がこれに取り組むことは、賛成だよ。
でも、お役所にコレを掲げられるのは、イヤだね。
「ノー残業デー」設定したって、仕事量が減るワケじゃないもん。

ペコポン
経営にとって「残業」に、どういう意味合いがあるか見てみよう。

日本では、「経営合理化を目的とした解雇は認められにくい」という前提がある。

繁忙期に合わせて、人を雇ったとする。
そうすると、繁忙期が過ぎれば余剰人員になる。
でも解雇は無理。
雇用し続ける。
果ては、高い人件費負担による業績悪化が待っている。

そうではなく、繁忙期でも最低限の人員が「残業」で対応すると。
繁忙期過ぎれば、残業は減る。
残業代が減ることにより人件費負担が減り業績は維持。
解雇の必要もなし。

ぼんさく
そういう視点からは「残業」は必ずしも「悪」ではないんだね。

ペコポン
社員が仕事漬けの生活になったり、健康を害するようになったりするような、恒常的な長時間の「残業」は、もちろん検討・改善する余地ありだけどね。

ぼんさく
バランスが大事だね。

ペコポン
さて、次。
「フレックスタイム制」は以前簡単に紹介したね
(024号「フレックスタイム制」参照)

フレックスタイム制 は、社員一人ひとりの責任意識が高い組織で、上手く機能すれば素晴らしい制度。

でも、どんな社員もそうか、というと難しい。
だから結局、一長一短のある制度と言える。

それに対し、「変形労働時間制」は、もっと使えると思う。

ぼんさく
変形?

ペコポン
まぁ、フレックスタイム制 も「変形労働時間制」の一種なんだけどね。
フレックスタイム制以外の「変形労働時間制」は、フレックスタイム制ほどは知られていない。

ぼんさく
どんなもの?

ペコポン
忙しいときと、そうでないときの時期にあわせて、働く時間をあらかじめ決めておく、というもの。

これだと、早く帰れる日が設定されて、残業削減につながるんだ。
「変形労働時間制」には、期間の単位について3種類ある。
・1週間単位
・1ヵ月単位
・1年単位

ぼんさく
その期間のうちで、労働時間を決めておくんだね。

ペコポン
「1週間単位」は、業種の制限あり。
「1年単位」は、ちょっと使いにくい制度にとどまってしまっている。
「1ヵ月単位」は使いやすく、おススメなんだ。
「労働基準法」テーマのときに、詳しく話すね。

ぼんさく
じゃ、次。
36協定(サブロク協定)って何?

ペコポン
会社と社員は、残業に関して取り決めをするんだ。
労働時間は、「1日8時間、1週40時間まで」と限度が、法律で決められている。

この限度を超える取り決めを書面にしたものが「36協定」。
「1日」、「1ヵ月など」、「1年」のそれぞれの限度延長時間を具体的に決める。

行動計画で言っているのは、この限度延長時間を現状より短くするってこと。

ぼんさく
なるほどね。
次は、残業意識の改善か。

残業に、安易もヘッタクレもないけどさ。
「定時に帰るのは悪いことだ」という雰囲気の職場って、確かにあるよね。
「残業するのがエライ」みたいに思っている輩とか。

経営者や管理職が、そう思うのは、心情としてわかる。
けど、そうじゃない一般社員まで、そう思っていて、残業しないことを非難するのは不思議だよ。

ペコポン
経営者や管理職でも、「残業しないで、早く帰るのがヨシ」とする人も多くいる。
役職や立場じゃなくて、その人の考え方なんだろうね。

ぼんさく
残業するにしても、定時で帰るにしても、どちらも尊重されて、仕事そのものが評価されるのがいいなぁ。

「残業する→仕事熱心」「定時帰り→消極的」なんていう意識のある職場は、この世からなくなってしまえ。

ペコポン
ぼんさく、カゲキだな。

ぼんさくの言うように、短絡的な評価はいただけないけど「仕事熱心な人は→残業をいとわない」「消極的な人は→残業を嫌がる」ケースもあると思う。

→印の、左右の向きが違うのに注意して。
どちらにしても、ウワベだけで、その人を評価しないってことだね。

わたしの後記


残業って。

その人の仕事観を表すと思うんです。

逃げるように帰る人
仕事が早く、ビシッと帰る人
評価のために残る人
お金のために残る人
何も考えてない人

そして、経営者・管理職者もいろいろ。
「いっぱい仕事せい」
「残業代もったいない早く帰れ」
「家族との時間も大切にしなさい」



さて、ワタクシ。
サラリーマン時代。若僧のころ。
残業はしないほう、でした。

そんなワタクシを見て、同僚は、ワタクシのことを「残業ギライ・シゴト嫌い」と思っていたと思います。
まぁ、確かに残業はスキではありませんでした。

でも、です。
ワタクシ、仕事は好き、なんです。
当時も、今も。

これを元同僚が聞いたら笑うでしょう。
まぁ、笑わせておきます。
自分も地人にそんなことを、口が裂けても言う気ありませんでしたから。

なんで残業しないで済んだか。
そう。
残業をしない努力を目いっぱいしていたのです。

「集中・効率・優先順位」
モノズゴク意識してました。実践してました。

繁忙期以外は、サッサと定時帰り。
そんなワタクシを、当時の上司は、アタタカク(?)見守ってくれていました。
たぶん。

私は、上司に恵まれていたのです。
今でも毎年、年賀状は必ず出しています。
上司方々からも・・・
アレ!? 来てない年もあるや・・・(汗)



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